病院という組織

病院には実にさまざまな人たちが勤務しています。
そのほとんどが専門職種の資格を持ったプロの集団であり、それぞれの集団がそれぞれの勤務場所で能力を発揮することで、最高の病院を組織することができるのです。
病院と通常の会社では組織的に違う部分がたくさんあります。
まずひとつは、会社は資格を持っていなくても働ける部門が多いのですが、病院は資格がなければ働けない部分が非常に多いです。
会社であれば、人手が足りない場合などは他部署から手伝うことも可能です。
しかし、病院は、医師や看護士など、業務独占資格の専門職部分が多く、人手が足りないから助け合うということもできないときもあります。
看護士は医師の仕事は行えませんし、医師は看護士の仕事を手助けすることはできないのです。
個人病院は院長以下、看護師数名と医療事務だけで構成されることが多いので、組織としても比較的単純ですが、これが大規模な病院になるととても複雑な組織になります。
大規模な病院には、医師や看護師のほか、薬剤師や各種リハビリテーション療法士、栄養士や介護福祉士、検査技師や薬剤師、医療事務など、多くの国家資格保有者の集まりで構成されています。
各々が十分な知識や技術などを持ったプロの集団であるがために、なかなか他業種の仕事までコントロールすることができない状況です。
大きな組織の中にいる、専門職種の人たちで構成される小さな組織一つ一つが、自分たちの仕事に誇りと責任を持って勤務することによって、初めて大きな組織も機能を始めるのです。